ODで失った一番大切なもの。
ある女の子と同棲した。
1ヶ月とちょっとの間。
はじめて女の子と同棲した。
5畳ワンルームでクソ狭いが。
とっても幸せだった。
めちゃくちゃ幸せだった。
ある日喧嘩になってODした。
ブロンを1瓶のんだ。
当時毎日ブロンのんでたから、全く効かない。シロップも1本のんだ。やはり効かない。
レスタミンを買ってきた。
ぜんぶのんだ。
これが間違いだった。
「イッテQもう始まった?」
この一言を言ったのは覚えてる。
そこから完全にトリップした。
気付いたらパンツを履いてない。
「パンツ履いて!」
彼女が怒ってる。
やばいばりきれとる。
パンツ履いとこ。
あれ、おれ何してんの?
パンツ履こうと思っても、履けない。
彼女はますます怒る。
「パンツ履いてってば!!」
ゴキブリおる!
ゴキブリいる!彼女の横!そこ!
「ゴキブリ!ゴキブリ!いやまじだから!ここみて!本当にいる!ゴキブリ!」
彼女の視線は冷たい。
本当にゴキブリいるから、彼女がおれの目を冷たい目で見るのが本当に腹立った。
ゴキブリ消えた!
気付いたら全裸だった。
彼女ばりきれとる。
こわいから外出ようとした。
ドアをあけた。
「あなた裸だよ!!!!!!」
彼女がおれを引っ張った。
正気になった。
「やば、まじでやば、○○(彼女の名前)いなかったらおれまじでやばかったな。ありがとう」
そんなこと言ったきがする。
たばこを吸おうとした。
手が異常に震えてすぐたばこを落とす。
火をつけようとしても何故かつかない。
彼女は呆れ返っている。
「めちゃくちゃ震えるwwwwwwww 」
とりあえず笑っといた。
彼女がめちゃくちゃキレてる。
ありえんくらいキレとる。
こんなんはじめてみた。
そんな怒らんでくれ。
おれのほうがつらい。
腹立ってきた。
「だまれブス」
本当は死ねブスって言おうとしたけど、僅かに残る理性がそれを止めた。
覚えてるのはこれくらい。
あと慎重に慎重に歩かないと、すぐに天地がひっくり反って転んだ。灰皿も溢した。彼女から聞いた話ではもっと酷い奇行もあった。
このODのあと、情けない話だが、無性に彼女が怖くなった。ODでトリップしている状態では、感情やものの見え方が激化する。
めちゃくちゃ怒っている彼女は悪魔のようで、素面になったあともしばらく怖かった。
もう愛情は感じれなかった。
ODしてもおれを見捨てないでくれるのに、もはや一緒にいることが苦痛になってきた。
薬は全てを、奪う。
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